オーストラリアの言語教育
英語教育の時期については諸説あります。
基本「母国語がマスターできてから」が良いと私は思っております。
The University of Melbourne の大学教授が来てレクチャーをしてくれたことがあります。
彼は文化継承のための言語学について研究している方で、
様々なリサーチの結果を見せてくださいました。
オーストラリアは移民、多国籍からなる国であるため、
そのようなSecond Generations にとっては英語と母国語の両立が極めて必要と
しています。ですから、それぞれの母国語維持のための学校があるわけです。
生徒をみて思うのは、英語の文章をみると、その生徒の「母国語能力」がわかる
ということ。
日常彼らはローカルの学校に行っていますから、英語での会話は問題ない。
(ように見える)
しかし、書かせてみると驚くくらいその差が表れます。
文法は駄目です。(残念ながら、公立では一昨年前まで文法教育が徹底されていなかった)
前置詞は非常に重要ですが、一寸違っていてもニュアンスでスルーしてしまうのが
会話です。
オーストラリアの大学受験システムでは、選択教科として
母国語を選ぶことも出来るのです。
ご両親が日本人でこちらで生まれた子ども達は、それなりに日本語への「自信」
をもつのですが、実際に模試のように出題すると、その自信を完全に失います。
能力別に分かれている試験は、100%英語で書くレベル、英語・日本語半分ずつ、
そして完全に日本語とわかれていますが、英語・日本語の半々レベルが実は一番厄介かも
しれません。
どちらも中途半端だと不得意さが歴然と表れます。
日本人の両親から生まれ、日本人である生徒たち。
生徒たちにとって、英語圏にいながら母国語を維持することはとても大変。
努力、使用頻度が求められます。
一方、これは日本での英語教育も同じだと思います。
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